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世にもすばらな物語 肆

咲ワンの締め切りが気づいたら目前だったので急いで更新しました
新作の方は今回は間に合わなかったので次回以降に回したいと思います
さすがに咲MTGのほうは咲ワンには出せませんので

ーー

ハギヨシ「親、それはどんな人にとっても絶対的な存在」

ハギヨシ「年齢によって親との関係は変わっていきますが、親愛の情については変わらないでしょう」

ハギヨシ「小さい子供にとっては、親こそが自分の世界を決める存在でもあります」

ハギヨシ「そんな時期に親がいない心細さは相当なものでしょう」

ハギヨシ「たとえどんな犠牲を払ってでも、親に会いたいと思うほどに」

ーー

「ねえ知ってる?泉の噂」

「泉?」

「うん。近くの森の奥に雨の日の夜にだけあらわれる泉の話」

「なにそれ?大きい水たまりじゃないの?」

「それが違うんだって。それでね、不思議なことに昼同じ場所にいっても平だったその場所は深い泉になってて、空は曇ってるはずなのにその場所だけはくっきりと月が水面に映りこんでるんだって」

「ふーん」

「で、こっからが面白いんだけど」

「まだ続くの?」

「そういわずに聞いてよ。それがね、その泉に巡り会えたら願いが叶うんだって」

「へえ」

「でもね、これには適正があるらしくて、駄目だった人はその泉に飲み込まれちゃうんだって」

「うさんくさ、あんたホントそういう話好きよね」

「相変わらずドライね。少しは楽しもうよ」

「はいはい。それより今日の宿題やってあるの?」

「あ」

「はぁ、手伝ってあげるからさっさと教室行くわよ」

慕「……願いが、叶う」

「私は待ってる」

閑無「よお」

慕「あ、閑無ちゃんおはよう」

閑無「なんか考え事か?」

慕「ちょっとね」

閑無「らしくねえな」

慕「ねえ閑無ちゃん、雨の日の泉の噂知ってる?」

閑無「ん?ああ、最近よく聞くやつか。くっだらねーよなあれ」

慕「あはは。でも、本当に願いが叶うなら面白いよね」

閑無「お前信じてんのか?」

慕「そういうわけじゃないけど、でも、あったら素敵だなって」

閑無「ばか、あるわけねえし、それにあったとしても泉に取り込まれるかもしれないとか言われてるしなにもいいことだけじゃないんだぞ。……実際、下級生に一人行方不明になってるやつがいるらしい」

慕「……そうだよね」

閑無「お前まさか、探すつもりじゃねえだろうな?」

慕「そ、そんなことないよ?」

閑無「一応言っとくけど、危ないからやめとけ。それにお前のおじさんだってお前が夜に出歩いてたら心配すんぞ」

慕「心配してくれてるんだ。ありがとう」

閑無「そ、そんなわけねーだろ!これは、あれだ!お前がいないと全国がだな」

~白築家~

耕介「あーやっぱ慕のメシはうまいな」

慕「ずっと作ってたからね。お母さんといt」

耕介「おかわり!」

慕「はいはい」

慕「……ねえおじさん」

耕介「ん?なんだ?」

慕「おじさんはもしなんでも願いが叶うって言われたら信じる?」

耕介「何の話だ?うーん、そうだな信じないかな」

慕「なんで?」

耕介「大人になるとわかるけどな、世の中そううまい話はねーんだよ。きれいなお姉さんに誘われてついていったら気が付いたら財布の金が消し飛んでたり」

慕「おじさんらしいね」

耕介「るせ。まあとにかく家族とか友達でもないやつが何の得もしないのになんかしてくれるわけねえんだよ」

慕「……」

耕介「大方なんか学校で都市伝説でも広まってんだろ?噂を信じるだけならいいけど現実にはうまいはなしはこないからな」

慕「……じゃあ、例えばほしいものを手に入れるために危ないことをしなきゃいけなくなったときはどうかな?」

耕介「あー、そうだな、ほしいものと危なさにもよるな」

慕「えっと、なんでも願いが叶うけどもしかしたら死んじゃうかもしれないとしたら」

耕介「だったらパスだな。命を賭けるなんて論外だ。俺はするつもりないし、お前にも絶対させない」

慕「だよね……」

耕介「よくわかんないけど、慕。いいか、絶対に危ないことはするなよ?なによりお前が後悔することになるし、俺もすっげー心配するし、お前の友達だっていい気はしない」

慕「うん……」シューン

耕介「わかったか?約束だからな?」

慕「約束するよ」

~学校~

先生「じゃあテスト返すぞ」

「お!よっしゃこれで小遣いあげてもらえる!」

「あいつよかったみたいだな」

「いつも相当ひどいのにな」

「なんか親にテスト次第で小遣いあげてもらえるから頑張るとか言ってたけど」

「あいつここんとこずっとグラウンドで野球やってたぞ」

「……そういや少し前にあいつのお母さんからうちに『うちの子がそっち行ってませんか』って夜中に電話かかってきたんだけどさ」

「夜中出歩いてたってこと?」

「みたい。しかもその日雨だったんだよね」

「それってもしかして」

慕(雨の日の泉……)

先生「おい騒がしいぞ」

「あ、すいません」

閑無「……最近はいつものことだけど、今日は特にうるさいな」

慕「……そうだね」

閑無「おい、真に受けんなよ?」

慕「……うん」

閑無「聞いてんのか!?」

慕「あっ、ごめん」

閑無「ったくよぉ。お前なめてんのか?」

慕「ごめんなさい」

閑無「はぁ、いいよもう。なんか気が抜けた。これ終わったら休むわ」

慕「あ、わたしお夕飯の支度あるから帰るね」

閑無「……今日の夜の降水確率は60%か」

慕「!」

閑無「その様子だとまだあきらめてないのな。いいか、止めんのはこれが最後だからな。馬鹿な真似はすんじゃねえぞ」

慕(……そうだよね。私を心配してくれる人たちを悲しませちゃいけないよね)

慕「閑無ちゃん」

閑無「あ?」

慕「ありがとうね」

閑無「……おう」

~スーパー~

慕「今日はおさかなが安いね。煮つけにしようかな。それともおじさんにトマト食べてもらうためにマリネでも」

「ママ、これ買って」

「もう、お菓子そんなに持ってこないでよ」

「お願い」

「仕方ないわね、じゃあその半分だけね」

「やった」

慕「……」

慕「……お母さん」

~白築家~

耕介「じゃ、俺風呂入るわ」

慕「うん」

ガラッ

慕(おじさん、ごめんなさい)

慕(少し出かけてきます、っと)カキカキ

慕(後は)

~石飛家~

プルルルルル

閑無「はい、石飛です」

慕「あ、もしもし白築と申します」

閑無「ああ、慕か」

慕「うん、こんばんは閑無ちゃん」

閑無「どうしたこんな時間に」

慕「えっとね、お礼を言おうと思って」

閑無「なんかしたっけ?」

慕「うん。転校してなじめなかった私といっぱい麻雀してくれてありがとう。遊んでくれてありがとう。心配してくれてありがとう。」

閑無「?」

慕「楽しい思い出をありがとう」

閑無「って、お前まさか!?」

慕「あはは、わかっちゃったか」

閑無「馬鹿野郎!やめろ!」

慕「ごめんねあれだけ止めてもらったのに閑無ちゃんの信頼を裏切っちゃって」

閑無「そんなことはどうでもいい!いいからやめとけ!」

慕「ごめんね、閑無ちゃん。でも念のためお礼だけは言っておこうと思って」

閑無「お礼なんか聞きたくねえんだよ!」

慕「大丈夫、しょせん噂だし多分なんともない。ただ、少しでも可能性があるならと思って」

閑無「泉だけじゃねえよ!ガキがこんな時間に一人で出歩いたらあぶねえってんだよ!」

慕「そうだね、まあなんとかするよ」

閑無「ああ、もう!勝手にしろ!」

プツッツーツー

閑無「……慕のバカ……」

~白築家~

慕「閑無ちゃん、ごめんね」

慕「……そろそろでないと、おじさんがお風呂から出てこないうちに」

ガチャ

慕「行ってきます」

~森~

慕(曇ってるのに月が映ってる泉、本当にあったんだ)

慕「きれい……」

ポチャン

慕「雨?」

ポチャン

慕「あ、水面に波が伝わって……」

~白築家~

ナナ「ふあーあ、ねむ。あ、慕おはよ」

慕「おはよう、お母さん」

ナナ「ん、朝ご飯できてる?」

慕「できてるよ」

耕介「うっす」

慕「おじさんおはよう」

ナナ「ひっどい寝癖」

耕介「めしくったら直すよ」

ナナ「今日は何時ごろ帰んの?」

耕介「8時くらいかな」

ナナ「今7時だけど間に合うの?」

耕介「夜のな」

ナナ「明日休み?」

耕介「仕事だけど」

ナナ「もっと早くいかなくていいの?」

耕介「あれ?言ってなかったっけ?俺転勤でこっちに回されたんだけど」

ナナ「んー?そうだっけ?」

耕介「電話したと思うんだけどなあ」

ナナ「ま、いいじゃん」

耕介「いや、まあいいんだけど」

慕「あれ?ってことはもしかして」

耕介「ん?」

慕「毎日麻雀できるの!?」

耕介「いや、さすがに毎日は」

ナナ「あたしもちょっと」

慕「」シューン

慕「じゃあ、行ってきます」

ナナ「おー」

耕介「車に気を付けろよ」

慕「早く帰ってくるね」

~学校~

慕「おはよう」

閑無「おお」

杏果「おはよう」

はやり「はや☆おはよう」

閑無「今日お前打ってくか?」

慕「ごめん、今日はおじさんが来てるから早く帰りたいんだ」

閑無「……そうか」

杏果「相変わらず素直じゃないなー。さっきまで慕ちゃんがくるのずっと待ってたのに。今だって振られて寂しいんでしょ?」

閑無「ま、待ってなんかねーし。むしろうるせえやつがいないと思ってせいせいしてたくらいだし!」

はやり「はややーそれは無理があると思うなー☆」

~白築家~

慕「ただいま」

ナナ「おか~」

耕介「おかえり」

慕「まだ帰るまで時間あるよね?」

耕介「おう」

慕「じゃ、麻雀しよ!」

耕介「今から?」

慕「うん」

ナナ「あんたどんだけ麻雀すきなの……」

耕介「ま、いいけど半荘は厳しいから東風な?」

慕「うん!」

~慕の部屋~

慕(おじさん帰っちゃったけど、次に会うのは来月じゃなくて来週かー。いっぱい麻雀できるね)

慕(明日は閑無ちゃんたちと打とう。麻雀って楽しいよね)

慕(そろそろ寝よう)

慕「……」

ザザ

慕「?」

……ザザ……

慕「なんか聞こえる?」

慕「気のせいかな。寝よう」

~学校~

閑無「今日はどうする?」

慕「麻雀したいな」

閑無「そ、そうか」

杏果「うれしそうだね」

閑無「きょ、今日こそこいつをぼこぼこにできると思ってるだけだ!」

はやり「今のところトータルだと負けてるもんね☆」

閑無「うっせーよはやり!」

慕「私なんてはやりちゃんに比べればまだまだだよ」

杏果「はやりちゃんはトップ率3割近いからね」

はやり「はや、ありがとう☆」

閑無「今日こそてめえをラスにしてやる」

はやり「楽しみにしてるね☆」

~慕の部屋~

慕「今日も楽しかったなー」

慕「閑無ちゃんたらはやりちゃんを倒そうとするあまり焦って振りこんじゃって真っ赤になって」

慕「杏果ちゃんはそんな閑無ちゃんをからかって」

慕「相変わらずはやりちゃんは強くて」

慕「平日はみんなと、休日はおじさんと遊べて本当楽しい」

慕「さて、そろそろ寝よう」

慕「」

ザザ

ザザ……ザザザ……ノ!

シ…ザザ……

慕「また?」

ザザザ……ノ!……シ……

ザザ……

……

慕「あ、鳴らなくなった」

~白築家~

耕介「一週間ぶり」

ナナ「別に久しぶりって気もしないね」

慕「おじさん、お夕飯できてるよ!」

耕介「お、悪いな。慕のメシをちょくちょく食えるのは嬉しいな」

慕「はい」

耕介「おう、サンキュ。ってこれトマト入ってんじゃねーか!」

慕「月に一度ならともかく週に一度ならしっかり栄養バランス考えないとね」

ナナ「だってさ。諦めて食いな」

耕介「いや、でも」

ナナ「あーあ、かわいい姪っ子の作ったご飯を残すのか」

耕介「わ、わかったよ」ムシャムシャ

耕介「う、やっぱトマトは」

慕「まあお母さんは私の作ったご飯残すこともあるけどね」

ナナ「あ、慕!」

耕介「へえ?」

慕「じゃあお母さんにも嫌いなもの食べてもらわないとね」

ナナ「ちょっと待って」

耕介「諦めるんだな姉貴」

ナナ「慕まさかあんたここまで考えて」

慕「えへへー」

ナナ「わが子ながら恐ろしいよ」

~慕の部屋~

慕「会ったばっかりなのにまたおじさんと麻雀できた」

慕「学校も楽しいし。夢みたい」

慕「いつまでもこんなふうに続くといいな」

慕「お母さんともおじさんとも離れずに」

キイイイイインン

慕「いたっ」

慕(なに今の光景。お母さんがいなくなっておじさんと二人で暮らしてる……?)

慕「最近変なことが続くなあ。いいや、寝よう」

……ザザ……ザザ

ザザザザー……シノ!……ザザ

シノ!ザザ……シノ!……

慕「また?ここのところ毎日だよ。病院行こうかな」

ザザ……ザザザザザ

シノ!……ザザ……シノ!……シノ!

シノ!シノ!

???「慕!白築慕!」

慕「え?」

???「起きろってんだよ!慕!」

慕「閑無ちゃん……?」

慕「私が倒れてて、閑無ちゃんが泣いてる?」

閑無「だから言ったじゃねえかよ!馬鹿なことすんじゃねえって!起きろよ!馬鹿野郎をひっぱたいてやるからよ!」グス

慕「なに?どういうこと?」

―忘れなさいー

慕「え?」

―つらい現実にとらわれる必要はないのです。なにもあなたが悲しみを背負う必要はないー

慕「だれ?」

―忘れて、幸せな日常を生きるのです。それが、あなたの願いなのですからー

慕「願い……。そっか、私泉に」

キイイイイイイイン

―忘れるのです、全てを忘れ幸せに生きるのですー

慕「ううん、それはできないかな」

―なぜ?これがあなたの望んだことでしょう?母親と生きたいのでしょう?-

慕「うん、確かに私はお母さんがいなくなってつらかったよ?今も会いたいし」

―ならなぜー

慕「でもね、つらいことばかりじゃないんだ」

慕「お母さんと離れたから私は閑無ちゃんたちと出会えた。全国に行くっていう目標もできた」

慕「別れがあるから出会いもあるんだよ」

―なら、母親に会えなくてもいいとー

慕「そういうわけじゃないよ」

慕「確かに今は会えないかもしれないけど、でもあくまでいったんのお別れなだけ。だから」

慕「私は待ってる」

慕「ずっと、全国に行って私が有名になって、お母さんが私を見つけてくれるその日まで」

―強いのですねー

慕「そんなことないよ。今だってまだこっちに残りたいと思ってるもん」

慕「閑無ちゃんがいなかったらきっと帰ろうと思うことすらなかったし」

慕「ね?ここまで私を大切にしてくれる友達もできたし、悪いことばかりでもないでしょ?」

―そうかもしれませんねー

慕「じゃあ、私は帰らなくちゃ。このままじゃ閑無ちゃんに怒られちゃう」

慕「ありがとう。素敵な夢を見せてくれて」

―いいえ、私はあなたを殺そうとしていたのです。お礼を言われるようなことはしていませんー

慕「ううん、それでもありがと」

―料金を先払いされてしまっては、仕事をするしかありませんねー

~森~

閑無「しの!」

慕「あ、こんばんは閑無ちゃん」

閑無「!しの、馬鹿野郎!」

慕「ごめんね閑無ちゃん」

閑無「ふざけんなよ!死んだかと思ったじぇねえか!」

慕「うん、ごめんね。でももう大丈夫」

閑無「ったく、心配かけさせやがって。殴ってやろうかと思ったけど、今日は勘弁しといてやるよ」

慕「ありがとう」

閑無「さて、帰るぞ」

慕「うん」

慕(帰ったあと、おじさんにすごい怒られてしまいました。でもそれだけ心配をかけていたので当然だと思います。閑無ちゃんはそれからいつも通り、いつも以上に仲良くさせてもらってます)

慕(そして時は流れ、高校生になり、はやりちゃんとも同じ高校に入ってインハイに出場してから一週間)

慕(残念ながら優勝はできなかったけれど、テレビにも出て少しは有名になれたと思います)

~白築家~

ピンポーン

耕介「慕、代わりにでてくれ」

慕「はーい」

慕「どちらさまですか?」

???「インハイ、見たよ。ごめんね長く待たせて」

慕「え……?」

―長くかかってしまったけれどー

カン
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