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世にもすばらな物語 壱

ハギヨシ「人格というものは、幼少期の体験によって作られていくと聞きます」

ハギヨシ「親が厳しかったから自分は優しくしようとか、はたまたその逆か」

ハギヨシ「単一のことでは形成されないので、そう簡単なことではないのでしょうが、所謂いい人とは、どのような体験をしてきているのでしょうか」

ハギヨシ「特に、聖人とまで言われるような人は」

ーー

姫子「そーいえば、花田ん口癖はいつからつかっとると?」

煌「すばらのこと?」

姫子「うん」

煌「大分昔からかな。とても、とてもお世話になった人の影響を受けて」

姫子「お世話になった人?」

煌「うん。命の恩人」

【勇気がくれた素敵な運命】
煌「長野にいたころなんだけどね、事故にあいそうになったとき、身を挺して庇ってくださった方がいて、その方が言ってたんだ」

姫子「怪我はなかったと?」

煌「その方のおかげでね。でも、その人は……」

姫子「……ごめん」

煌「いいよ。それに、亡くなったわけではないから」

姫子「?」

煌「私はその方に助けていただいて少ししたら、なぜか気を失ってしまって。次に病院で目覚めた後には、その方には会えず、お礼もしっかりと申し上げられなくて」

姫子「そっか」

煌「せめて、もう一度だけでもお会いして、きちんとお礼を申し上げたいけれど。もう無理でしょうね。引っ越してしまったし」

???「そのウィッシュ、叶えられるかもしれませんよ」

煌「戒能プロ!?どうしてこちらに?」

良子「鹿児島に行ったついでに九州を少しトラベルしていたところでして」

姫子「いや、そいはわかりますけど、ここ校舎ですよ?」

良子「雀士のオーラに引き寄せられまして。」

煌「さすがはソロモン王の力で役万をあがった方ですね。すばらです」

姫子「いやいや、おかしかよ」

良子「まあ、私がここにいるリーズンはどうでもいいです。それより花田さん。」

煌「はい」

良子「さっき言ってたお礼を言いたいというウィッシュですが、もしかしたらそれを叶えるお手伝いくらいはできるかもしれません。」

煌「本当ですか?でも、どうやって」

良子「正確に言うと私が手伝うのではないのですが、本家のものならあるいは」

~永水~

煌「お初にお目にかかります。花田と申します。戒能プロにこちらをご紹介されたのですが」

霞「ようこそ花田さん。お話は伺ってるわ」

小蒔「お世話になった方にお会いしたいんですね。とても素敵なことだと思います。うまくいくかはわかりませんが、私でよければお手伝いさせていただきます」

煌「本当にできるんですか?」

霞「小蒔ちゃんに憑かれる神様は順番が決まってるから、少し時間はかかるけれど」

煌「神様?」

初美「細かいことはいいから、卓につくのですよー」

煌「は、はあ。では失礼して」

小蒔「あ、そういえば花田さん」

煌「なんでしょう」

小蒔「お会いしたい方にまつわるなにかとか持ってませんか?」

煌「なぜかその時その人が持っていた麻雀牌ならありますが」

小蒔「それで結構です。少々お借りしてもよろしいですか?」

煌」「ええ、どうぞ」

小蒔「ありがとうございます。神棚におかせていただきますね」

煌「かまいませんよ」

小蒔「では、みなさん。始めましょうか」

――

煌(えーと、私はなんで麻雀を打ってるんでしょうか。それも半荘を十回も。もうとうに日が暮れてますよ)トン

霞「麻雀を打ってることに疑問を持たれてるんですね?」トン

煌「い、いえそんなことは」

霞「大丈夫ですよ。当然のことですから。でももう少しだけ待ってくださいね」

煌「はあ」

小蒔「」スースー

煌「あの、神代さんが寝始めてしまったのですが大丈夫ですか?もう三度目になりますが。お疲れなら無理していただかなくとも」

霞「いえ、むしろここからよ。順番的にはそろそろ最高位の神様になるはず」

小蒔「」コオオオオオオオオオオ

初美「あたりを引いたようですよー」トン

霞「そのようね。花田さん」

煌「はい」

小蒔「汝、なにを望む?」コオオオオオオ

煌「え?あの、神代さん?」

霞「麻雀を続けながら、あなたの願いを言ってもらえますか?」

煌「は、はい。私は、あの時私を助けてくださった方に会って、お礼をいいたいです」

小蒔「その願い聞き入れたり」コオオオオオオオオオオ

霞「花田さん。一つだけ約束してほしいことがあります。あなたはこれから、過去に、事故の日へと飛ぶことになりますが、その方に会う以外のことは極力さけてください」

霞「もし下手に過去改変をしたら、現代に多大な影響を及ぼしますから。これが守れなかった場合、あなたの命は補償しかねます」

煌「あの、おっしゃってる意味がよく」ツモ

初美「とりあえず、その方に会う以外のことをしないでくれればおっけーですよー。できればその方ともあまり長く話しすぎないほうがいいですね」

霞「目的を達成すれば自動で帰れますが、もしなにか重大なアクシデントがあったら強制的に帰らされます。それではそろそろ時間のようですので」

煌「あ、あの」

キュルルルルルルルル

~???~

煌「あ、あれ?ここはどこでしょうか。私は鹿児島で麻雀を打っていたはずなのですが。」

煌「ふむ」キョロキョロ

煌「なんでしょう。なぜだか懐かしい気がします」

???「うう。迷ってしまいました」

煌「どこかで聞いた声が聞こえますね」

煌「……と、いいますか。あれ完璧にマホですよね。しかもランドセルを背負った」

煌「ってことは、もしかしてここは、長野なんですかあああああああ!?」

――

煌(あの後軽く散策してみましたが、どうやら本当に長野のようですね)

煌(しかもマホのランドセルや、町並から考えるに過去の)

煌(いやあ、何言ってるか分かりませんでしたが、こういうことだったんですね)

煌(さすがは鹿児島の六女仙。すばらです)

煌(しかし、これからどうしたものか。目的を達成すれば帰れるとのことですが、そう簡単に会えるのでしょうか)

煌「さて、どうしたものでしょうかねえ。なにか手がかりがあれば……、そういえば」

霞「あなたはこれから、過去に、事故の日へと飛ぶことになります」

煌(そういえば、この日付は確か)

煌「私が事故にあった日……!」

~長野、街中~

煌「さて、この辺だったと思うんですが、なにぶん久しぶりですので迷ってしまいましたね」

煌「道中も下校途中の小学生しかいませんでしたし、本当にお会いできるのでしょうか」

煌「あれ?そういえば今日会えなかったらどうなるんでしょ?明日以降のあの方の行方は全くわかりませんし」

煌「まあそんなネガティブ思考は後にして探しましょうか」

煌(しっかし、ここら辺は道が狭くて危ないですね。事故がいつ起こってもおかしくありませんよ。あ、私がすでに起こしてましたっけ)

???「」トボトボ

ブーン

???「!」ビクッ

煌(ほら言わんこっちゃない。あそこで歩いている子も今危ないところでしたよ)

煌(私が去った後には工事されてるといいのですが)

煌「?」

キイイイイイイイイイ

煌「!危ない!!!」ダッ

煌(思わず走り出してしまいましたが、間に合いますかねえ)

煌(あれ、そういえばなんか忘れてるような)

霞「花田さん。一つだけ約束してほしいことがあります。あなたはこれから、過去に、事故の日へと飛ぶことになりますが、その方に会う以外のことは極力さけてください」

霞「もし下手に過去改変をしたら、現代に多大な影響を及ぼしますから。これが守れなかった場合、あなたの命は補償しかねます」

煌(あ、そっか。もしここで今私があの子を助けたら、現代に影響を及ぼして私も……)

煌(やめたほうがいい……、なーんてことはないですね)

煌「現代に与える影響は私にはわかりませんが、わかってることがある。)

煌(自分が納得できる方)

煌「あの子を、死なせない!」

???「ひっ」ガタガタ

キイイイイイイイイイイイイ

煌「」ガバッ

ドン

???「……ちゃん!……お姉ちゃん!」

煌(えっと、呼ばれてるのは私でしょうか。あれ、そもそも私はなにを)

???「よかった!お姉ちゃん!」

煌(ええと、ああそうだ。確か私は事故にあいそうなこの子を助けようとしたんでしたっけ。)

煌「よかった……。あなたが無事で」

???「よくないよ!だってお姉ちゃん、私の代わりに!」

煌「……?」ダラダラ

煌(ああなんか頭が湿ってると思ったらこれ私の血ですか。これは助かりそうにありませんね。まあいいでしょう。どうせ私は戻ったら罰せられる身ですし)

煌「いいんですよ。あなたが無事ならそれで」

???「よくないよ!私はお姉ちゃんが怪我してまで助けてもらうようないい子じゃないもん!」

煌「そう自分を卑下するものではありませんよ」

???「だって私、運動もできないしお勉強もそんなによくないし、地味だからクラスになじめないし、友達すくないし」

煌「自分に自信が持てないのですね。わかります。私も昔、そうでしたから」

???「ふえ?」

煌「そうですね。なら、一日一回以上、人のためになることをしなさい。そうしていいことをした後に、そんな自分をすばらとほめてあげるんです」

???「すばら……?」

煌「ええ、すばらです。」

???「すばら……」

煌「そう、すばら」

???「……うん!わかった!」

煌「元気な返事。すばらです。そうやって自分をほめてあげて、ポジティブに考えるんです」

???「……うん。うん!」

煌「これからいろいろつらいこともあるでしょうが、強く生きてください。自分も他人も大切にできる、他人のよいところをみつけてあげられる、他人に尽くすことのできる、そんなすばらな子になってあげてください」

???「約束するよ!お姉ちゃん」

煌「ええ、きっ……と、あなた、なら……だいじょうぶ、です……はは、さすがに苦しくなってきましたね」

???「しっかりしてお姉ちゃん!さっき救急車呼んだから!」

煌「ありがとうございます、でも……もう無理み、た……」

キュルルルルルルル

???「お姉ちゃ……ん」ドサッ

~永水~

煌「はっ!……ここは?私は死んだはずでは……?」

霞「何かアクシデントがあったら強制的に帰るといったでしょう?」

煌「あー、確かそんなことも。しかし傷も治ってるんですが」

霞「正確に言うと、あなたはその体のまま飛んだわけではありませんから」

煌「はあ」

霞「それよりも、話さなければいけないことがあるのではないですか?」

煌「ええ、私は確かにあの子を助けました」

霞「過去を変えてはいけないといいましたよね?守らなければ命の保証はしかねるとも」

煌「覚悟の上です。私の命一つで済むのなら安いものです。一思いにやってください」

霞「遺書を書く時間くらいは差し上げますよ」

煌「結構です」

霞「……では」スッ

ヒュッ

良子「その必要はナッシングです」

ピタッ

霞「戒能プロ、どういうことです?」

良子「そのままのミーンですよ。さきほど確認しましたが、現代に変更は見られませんでした。つまり、彼女はイノセントです」

霞「本当ですね?」

良子「イエス」

霞「……わかりました」

煌「……?え?あの、どういうことですか?」

良子「つまりは、今までのことはすべてあらかじめきまってたフェイトだったってことです」

煌「えっと」

霞「過去も現在も変えていないということです。ならば、私もあなたに罰を与えなくてすみますね」

煌「とりあえず、私は殺されずに済むということですね?」

霞「そういうことです」

煌「なんだかすばらなことのはずなのに釈然としない……」

霞「さて、あなたが目的を達成できたかはわかりませんが、残念ながらあの術は一生に一度しか使えませんので、もうあなたのお願いを叶えることはできません」

煌「残念ですが、仕方ないですね。それでは失礼いたします。お世話になりました」

霞「大したお構いもできませんでしたが」

小蒔「あれ?牌が一つ足りませんね?」

初美「姫様がねぼけてどっかになくしてしまったのではないですか?」

小蒔「うーん、そうなのでしょうか」

~過去、病院~

???「……あれ?ここどこ?」

看護師「ああ、目が覚めたのね。よかったわ」

???「……!そうだ、お姉ちゃんは!?」

看護師「……お姉ちゃん?」

???「さっき私をかばってお姉ちゃんが!」

看護師「いなかったはずだけれど」

???「そんなはずないもん!お姉ちゃんが私を助けてくれたんだもん!」

看護師「……ショックで記憶が混乱してる可能性があるわね。念のためもう一度検査しておいた方がいいかもしれないわ」

???「お姉ちゃんに会わせて!」

看護師「はいはい、ああそうだ、現場にこんなものが落ちてたんだけど、あなたのもの?」

???「?」

看護師「麻雀牌。あなたのすぐ横に落ちてたから。一応渡しておくわね、煌ちゃん」

カン!
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