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【ヤンデレ】アイのカタチ(前篇)【閲覧注意】

完全新作SSの投稿が三か月ぶりなんてそんなオカルトありえるわけないじゃないですか~

ヤンデレやグロテスクな描写を含みますので閲覧注意です

ーーー

 プロローグ
私なんかには、手の届かない存在だと思ってた。だからあなたが私のことを好きと言ってくれた時はとてもうれしかった。あなたには私以外の選択肢なんていくらでもあったのに、それでも私を好きだと言ってくれた。最初はあなたが私を選んでくれたこと、私の隣にいてくれることそれだけでも泣いちゃうくらいうれしかったの。でも、いつからだろうあなたが他の子に微笑むのを見るのが辛くなったのは。あなたは誰にでも優しくて、誰にでも微笑みかける。それを見ていると私にかけるこの愛情も他のみんなにかけるそれと変わらないんじゃないかって不安になるの。今までは欲張っちゃいけない、これ以上を望むのはおこがましいと思ってたけど、もう耐えられないの。あなたを独り占めしたい。ほんのわずかでも他の誰にもあなたの愛情を取られたくない。私だけを見てほしい。

菫ちゃん

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一章
眼が覚めたとき、私の目の前に映ったものは見慣れた自室ではなく無機質な白い壁だった。
「ここは……?夢、ではないよな」
 私が事態を飲み込めずにいる中で扉の開く音がした。
「あ、起きたんだね菫ちゃん」
 私の混乱をよそに、彼女はいつものように笑顔で声をかけてきた。しかしいつものような笑顔とは違う。眼が笑っていない。
「宥、どういうことだ?これはいったい」
 とにかく状況を知るために宥の方へと向かおうとする。しかし、
「見てのとおりだよ?」
身体が途中で止まる。いや、正確にはなにかで阻まれている。
「見てのとおり、って」
おそるおそる私は自分の後方を見る。
「見てのとおり、菫ちゃんは私に拘束されてるの」
そこには柱に巻き付けられた鎖があり、そしてそれは私の首へとつながっていた。

「もう一度訊くぞ。これはどういうことだ」
首につながれた鎖を握りながら強く投げかける。
「ならもう一度言うね。菫ちゃんは私に拘束されているの」
返答は変わらず、貼りついたような笑顔で冷たく返ってきた。
「なんのために」
ならばと質問を変え少しでも情報を得に行く。しかし彼女は
「菫ちゃんが好きだからだよ」
と優しい顔で答えるだけだった。
「とりあえず私は旅館のお手伝いがあるからもういくね。これご飯だよ」
と、お盆から水とごはんを配膳してくれた。
メニューは白米、焼き魚、おひたし、味噌汁か。旅館の賄いだろうか。
「それ玄ちゃんが作ったんだよ」
「玄さんが?玄さんもこれを知っているのか?」
「玄ちゃんの料理おいしいよね。私よりもとっても上手で。菫ちゃんうちに来たときいつもおいしそうに食べてて。私が作った時よりも、ね」
「なにを言ってるんだ?」
「玄ちゃんも菫ちゃんがおいしそうに食べるもんだから喜んじゃって。知ってた?玄ちゃんも菫ちゃんのこと好きだったんだよ?でも私がいるからってあきらめて。だけど諦めきれないのかな、まだ好きみたいで。だから菫ちゃんが来るときはとっても嬉しそうにして料理も張り切って」
「ゆ、宥?」
「菫ちゃんも菫ちゃんでデレデレしてるし」
「それは誤解だ」
「ううん、いいの。玄ちゃんかわいいもんね。それに素直で優しいし。私いっつも玄ちゃんに助けられてばっかりだし。私なんかよりとっても魅力的だよね」
「話を聞いてくれ」
「玄ちゃんだけじゃない。照ちゃんに淡ちゃん、魅力的な子に囲まれているし」
「あいつらとはそういう関係じゃ」
「菫ちゃんはその気がなくても、あっちはそうじゃないみたいだけど」
「仮にそうだとしても、私は宥が」
「今はそうでも、ずっとそうとは言い切れないでしょ?ううん、きっとそう。だって菫ちゃんが私と付き合うメリットなんてないし。それに私なんかよりあの子たちのほうがかわいいし。一緒にいるときとっても楽しそうだし。特に照ちゃんとはまるで夫婦みたいに信頼しあって。ずっとうらやましかったんだ」
「宥!」
「でね、ある日気づいたんだ」
そこで宥はこちらをじっと見据える。その瞳は妖艶でじっと見ているとまるで吸い込まれそうで
「宥……!?」
私はなんとか声を絞り出して宥に向かう。
「こうすれば菫ちゃんは永遠に私だけのものになるんだって」
「お、おい……」
「大好きだよ、菫ちゃん。これからもずっと一緒だね」
そういった時の彼女の表情は、ともすれば天使に見間違えてしまいそうで、けれど、悪魔のような囁きだった。

 宥が出て行って一時間ほどたっただろうか。時計の類がないので正確な時間がわからない。当然というべきか携帯は取られてしまっている。地下室なのだろうか、窓もないために光で判別というのも難しい。とにかく体感でその程度の時間の間、私は出る方法を模索していた。
 まず鎖をほどけないか、これは即座に無理だと悟った。私の首へとつながるそれを根元までたどってみたもののさびやほつれなどはないし、根元はこの部屋を支える柱にぎっちりと結ばれている。これを力ずくでどうこうするのは人間には無理だろう。
 次に首輪がとれないか、つけたのだから外せるはずだろうと探ってみた。自分の首を目で見ることは無理なため手探りでしかないが、鍵穴らしきものはみつかった。問題は鍵だが、この部屋にはさすがになさそうだ。宥が持っているのだろう。
 となるといずれにせよ宥を説得することが最善の策のように思える。ここから脱出するだけでなく、単純に宥と会話すること自体が必要でもあるし。とはいえ、今の宥はこちらの話を聞いてくれそうにはない。
 ……少し落ち着くまでは彼女に従った方が無難か。今は理性を失っているが、少ししたら自分のしたことに気づいてすぐに解放してくれるだろう。そう、きっとこんなバカげたことはすぐにやめてくれるはず。
 その時の私は、まだあの優しい宥が帰ってくるとそう思っていたんだ。

「菫ちゃんお夕飯もってきたよ」
 宥が数時間ぶりに訪れた。どうやら私が起きたのはお昼頃だったようだ。
「ああ、ありがとう」
「あ、ちゃんと残さず食べたんだね。よしよし」
 正直言って口にするのはためらわれた。しかしいざ行動に起こすときに衰弱している自体は避けたいし、宥の様子からして私に肉体的な害をなすとは思えなかったために迷った末に食べることにした。
「おいしかったよ。ごちそうさま」
「じゃあこっちは下げるね。あ、お夕飯は私が作ったんだよ」
「そうか。期待してる。いただこうか」
「うん、召し上がれ」
 と、口にしようとすると宥がこちらをひたすらにじっと見つめていることに気づく。
「……どうした?」
私がいぶかしげに訊くとキョトンとした表情で
「だって、お口に合うかわからないし」
とはにかみながら答える。
「宥の作ったものなら、なんだっておいしいよ」
「ほんと?」
「ああ」
「玄ちゃんのより?」
「少なくとも私にとっては」
「そう……」
照れている……?よしこれならと思ったのも束の間
「そんな風にして、いろんな人をたぶらかしてきたんだね」
宥の様子が一変する。まずい、よくわからないが、まずい。
「こんな言葉を何人に言ってきたの?私以外の誰に、愛情を注いだの?」
「待ってくれ。私は宥だけを」
「私を好きでいてくれていることは知ってるよ。でも、私だけじゃないよね」
「誤解だ」
まただ、こちらの話を聞いてくれない。
「菫ちゃんには私だけを見てもらいたいんだ」
「あ、それはそうとしてせっかくの宥のご飯なんだ。冷めないうちにいただきたいな」
このままではらちが明かないので必死に話題を変える。
「……そう、だね。私もおいしいまま菫ちゃんに食べてほしいし」
「ありがとう。いただきます」

そうして事なきを得て食事を終えた。それを見届けた宥は満足した表情で食器を片づけようとした。
「あ、宥。一つ頼みがある」
「なあに?ここから出してとかじゃなければいいよ」
「そうじゃない、その、今日一日ここにずっといただろう?だから、その、お手洗いに行けてないんだ。だからせめてそれだけでも」
それを聞くと宥は
「わかった。ちょっと待ってて」
と部屋を出たと思ったらすぐになにかをもってきた。
「はい、どうぞ」
「お、おいこれは」
差し出されたのは、主として乳児が用を足すためのもの、平たく言えばおまるだった。

二章
 あれで用を足すのはためらわれたものの、「それがいやなら、ここでそのままする?」と言われてしまったためにそうせざるをえなくなった。この年であんなものを使わされるとは屈辱だ。
 その後にお風呂に入りたいといったところ温水とタオルを持ってきてくれた。どうやらできる範囲では応えてくれるようだ。
 ……これを使って気づかれないように脱出できるかもしれない。

「はい、朝ご飯だよ」
宥がお膳を持ってきてくれた。
「ありがとう。これも宥が?」
「ううん、旅館の賄だよ」
賄、それはまだ温かい。つまり、これは旅館からそう離れてはないということか。
「……なあ宥」
「なあに?」
「さすがにここで何時間も座っているのも退屈だから、小説とか暇をつぶせるものをくれないか」
「暇?そっか、やっとここに素直にいるつもりになってくれたんだね。うんうん、全然かまわないよ」
宥は食器を片づけてから大量の小説を持ってきてくれた。
さて、賭けに出るとするか。
 
「お待たせ。お夕飯だよ」
「ああ、ありがとう」
「大分素直になったよね。うれしいなあ」
「……宥の想いが通じたからかな」
「ふふ」
「じゃあここに置いておくからちゃんと食べてね」
 去ったか。このままではなにされるかわからないからな、一刻も早く逃げなければ。といっても私一人の力では無理だろう。だから助けを求めるしかない。もちろん普通になにかしようとしてもすぐにばれてしまうだろう。だから賭けに出ることにした。
 宥から提供される食事は旅館からのものが多かった。ならば宥はあれをそのまま旅館に返しに行くだろう。それは宥本人が洗っているのか、それとも従業員が洗っているのかはわからない。もし前者なら詰みだが、後者なら助かる見込みが高い。
 後は、誰かが来るのを待つしかない。

 しばらくして扉が開けられた。
「菫さん!」
 姿を現したのは宥ではなく玄さんだった。
「玄さんか、あれを見てくれたのか?」
「は、はい。でもまさか本当だったなんて」
 私は旅館の人が見つけてくれると信じて茶碗の裏にメモを貼り付けた。「旅館の近くで松実宥に監禁されている。助けてくれ 弘世菫」と。
 紙は小説をちぎって調達し、文字は血を使った。気づいたところで信じてくれるとは限らないし、ここを見つけられるかもわからない。だが、どうやら私は賭けに勝ったようだ。これで助かる。
「よし、玄さん。警察を呼んでくれ。私たちだけではこれを引きはがせそうにない」
「わかりました」
と電話をだすが
「あ、すいません。ここ地下室で電波悪いみたいなんでちょっと上行きますね」
と出て行ってしまった。
しかしまあこれで助けは来るだろう。ほどなくして扉が再度開いた。
「ああ玄さん。ありがとう」
しかし
「……なんの話かな?」
訪れたのは
「菫ちゃん」
宥だった。

三章
「ゆ、宥か。いや、なんでもないよ」
「今、玄ちゃんの名前呼んだよね?どうしてなの?」
「それは」
まずい、下手なことをしてしまったらその時点でなにされるかわからない。ここは慎重に
「そんなに玄ちゃんが好きなら、一緒にいさせてあげるね」
「え?」
答える間もなく、宥は予想外の言葉を放った。
「それは、どういう……?」
「言葉通りだよ。この部屋で、玄ちゃんと一緒にいさせてあげる」
待て、それはつまり玄さんを巻き込むということに
「そんなつもりはない!だからここは私一人でいさせてくれ!」
「そう?」
「ああ!」
宥はふーんと首をかしげると
「じゃあこれはいらないってことかあ」
とつぶやき扉の向こうからなにやらごそごそと引っ張り出した。
「だってさ、玄ちゃん。残念だね」
「え……?」
そうして彼女は取り出した。松実玄を。胴体と切り離されたその首を。

「それは、なんなんだ?」
「なにって、ひどいなあ。玄ちゃんだよ」
「玄さんって、どう見たってそれは」
「うん。生首だよ?」
それがどうしたといわんばかりの表情でこちらを見つめる宥。
「作り物、だよな?ははは、宥も冗談が過ぎるな。そんな悪質な」
「本物だよ」
「は、はは?」
「本物だよ。本物の、生きてる玄ちゃんの首。って、ああもう死んでるから生きてたの方が正しいかな」
「玄さん……!?」
眼前の光景が信じられない。宥がそんなことするわけがない。あれほど仲が良かった実の妹を殺すだなんて、そんな。
「菫ちゃんが悪いんだからね?」
宥は今までみせたことのない冷淡な表情と、聞いたことのない凍てつくような声でそう告げた。

私の中で、なにかが壊れる音がした。

ーーー
次回は来週までにはあげるつもりです
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